相手を3秒で倒す技50! テイクダウン大全 (DVD付) (BUDO‐RA BOOKS) フル・コム 東邦出版 2010-11-11 |
『相手を3秒で倒す技50! テイクダウン大全』を買いました。
目次は以下の通り。
金泰泳 正道空手の柔法
西良典 テイクダウンは護身でも有効な実戦技
増田章 テイクダウンが空手を変える
長石学 円心空手の軸足刈り
林悦道 士心館護身術
ランバー・ソムデートM16 総合でも勝てる!ムエタイ
片桐陽 螳螂拳率法
DVDが付属していますが、主な項目はこんな感じです。
正道空手 金泰泳(収録時間14分44秒)
裏投げ
軸足蹴り
組まれたときの対応
和術 西良典(収録時間16分7秒)
双足刈り
双足払い
大外崩し
右掌底崩し
左掌底崩し
回転裏拳入身
前蹴り大外崩し
内股払い
テイクダウンに対応する構え
タックルの防御
フリースタイルカラテ 増田章 (収録時間16分9秒)
外掛け崩し
小手投げ
入り身落し
首固め外掛け倒し
回転投げ
腕返し
足取り小手投げ
足取り小手投げからの切り返し
足取り回転投げ
円心空手 長石学(収録時間14分9秒)
突きを捌く原理
蹴りを捌く原理
軸足刈り
上段回し蹴りに対して
上段膝蹴りに対して(右足で刈る)
上段膝蹴りに対して(左足で刈る)
後ろ回し蹴りに対して
内腿蹴りに対して
直突きに対して
士心館護身術 林悦道(収録時間18分21秒)
護身の基礎
手技の基本
パンチに対する掌底突き
肩つかみに対する膝崩し掌底突き
両手つかみに対する掌底突き
両手つかみに対する頭突き投げ
タックルに対する後ろ髪崩し手刀
両手つかみに対する前髪崩し
ムエタイ ランバー・ソムデートM16(収録時間9分25秒)
構え
首ずもうによるタックルへの対処
MMAにおける打撃
タックルに対する打撃のカウンター
螳螂拳 片桐陽(収録時間8分46秒)
内門と外門
採手(鉄刺)
太極梅花螳螂拳 滾龍肘
太極梅花螳螂拳 釣魚歩腰斬
六合螳螂拳 展拍
六合螳螂拳 膝落耳錐
六合螳螂拳 採封扣肘・敗歩封
六合螳螂拳 双后坐肘
梅花螳螂拳 脱袖提折
梅花螳螂拳 腿
太極螳螂拳 右腰斬
七星螳螂拳 翻身把山手・偸展底漏圏
個人的に、片桐陽氏による螳螂拳の投技が面白く、ちょっと細かく見てみます。
滾龍肘(こんりゅうちゅう) 太極梅花螳螂拳
相手の外側にクロスする形で入り、自分の内側に投げる。
この位置に入ること自体が組手では難度が高いので、簡単ではないと思います。
釣魚歩腰斬(ちょうぎょほようざん) 太極梅花螳螂拳
相手の内側に入り自分の外側に投げる。
これはクリンチ状態からも出すことが出来て、かなり現実的で自然な技だと思います。
本書中でもアドバイスがありますが、一回押し込んでからなでるように引くとかかりやすいと思います。
展拍 六合螳螂拳
前足を相手の内側に進め、後ろ足を一歩(換歩?)で相手の後ろ側(外側)に入れる形で投げる。
右脇腹で相手を挟むみたいな感覚だと思います。豪快ですが、体格的なアドバンテージと度胸がないとちょっとキツイようにも思います。
多分、差し込んだ右手で相手の右手(右側)をすりあげて、十分に崩してから投げることがポイントではないでしょうか。強引にそのまま投げようとしてもなかなか大変だと思います。
摟膝落耳錘 六合螳螂拳(六合短錘)
相手の外側にクロスする形で入り、左手で相手アゴ、右手で相手後頭部を挟むように打ち、自分の内側に投げる。
投げの方向としては最初の滾龍肘と同じですが、最初に非常に武術的な両側から打つ打撃が入っています。これは出来たとしても組手で使っちゃ絶対ダメな技です(笑)。
採封扣肘、敗歩封 六合螳螂拳(六合短錘)
ミスマッチ構え(相手左前、自分右前)から相手ワンツーの右突きを左手で右耳脇に呼び込むように受けつつ左足を進める。それから左肘、右肘を入れ、右足を進めつつ自分の外側に投げる。
前半の受けからの肘を除くと、投げの方向自体は右腰斬みたいなことかと思います。
これも相手右手(後ろ手)を十分に脇が開くように崩すことがポイントで、これが出来なければまず投げられないでしょう。下がればいいわけですから。
多分ですが、実際にはもっと距離が近くかつ相手の重心が前に寄ってきている状態で使う技だと思います。その状態でもみ合いながら相手後ろ手を釣り上げられれば、そこから投げること自体は可能でしょう。
連続技だと思うとちょっと現実的な感じはしないですが・・。
双后坐肘 六合螳螂拳
相手が首相撲のように首をロックしてきた時、左手で相手右腕を封じながら右手を相手右腕下に差し(クロスする方向)、そのまま突き上げて崩し、その右腕をおろして肘、そのまま自分の外側に投げる。
首相撲状態からの脱出法の一つとして覚えておいて良さそうです。
完全に外せなくても、空間を作ってそのまま振り回すことはできると思います。ただ力まかせにやると自分も一緒に倒れこむ形になってしまいそうです。
脱袖提折 梅花螳螂拳
ミスマッチ構え(相手左前、自分右前)から相手ワンツーの左を左手で内側に、右を上からさしいれるように受け、左手を差し入れ、同時に左足を進め左膝を相手の膝に当てて後ろに倒す。
これ、表現が非常に難しいですが、一見するとまったく非現実的な技に見えます。
ポイントは右腕一本で相手ワンツーを受け、ツーを引き込み相手の肘を持ってきてしまうところで、これを粘っこく決めることができれば、投げは後からついてくるものでしょう。この、肘をとって相手を崩す、というのが物凄い難易度が高いと思うので、ちょっと簡単に真似しようとしない方が良いと思いますが・・。
実際に使う使わないは別として、ここで肘を引っ掛けて呼びこむ時の感覚はとても大事なので、ゆっくりエクササイズ的にやると勉強になりそうです。
キョウ腿 梅花螳螂拳
いわゆる愀腿(しゅうたい)です。
自分の右手で相手左手を抑えつつ、左手で顔面を打つ。それを右手で受けられたら、内から相手の右手を左手でつかみ、右手で顔面を打つ。その右手で相手の顔を引きながら、右足で相手左足を払う。
この接近方法って、最初の自分の後ろ手で相手前手に触れるところがポイントだと思います。これがなかなかできるものじゃないんですよ。ただ手を伸ばすのではなく、身体とつながった状態で圧力のあるおさえ方ができれば、後は別にこの技を出す出さないに関係なく、有利にポジションが作れると思います。
どうでもいいですが、本文のナンバリングが「八」になるべきなのに「四」と誤植になっています。
右腰斬 太極螳螂拳
相手左突きを左手甲で下に受け、相手右突きを右腕外で受けつつ入り身、右足を相手左足の外に置いて、自分の外側(右側)に投げる。
これもポイントは相手右腕を自分の右側(外側)に呼び込み、相手の右側を十分に釣り上げ崩す、ということでしょうね。それができれば後は投げられるでしょうが、そこまでが容易ではないと思います。ただ強引に身体だけ入れても体格的なアドバンテージがなければ自分の方が崩れてしまいますし。
実際には相手の腕二本と自分の腕二本、お互い組み合う形になることが圧倒的に多く、ここで相手と均衡を保ちながらバランスを崩して回して入り身する、という方が有り得そうに思います。
相手と空間がある状態で技的というかタイミングで入ろうとすると、先に打たれる確率の方が高いでしょう。
翻身把山手・偸展底漏圏 七星螳螂拳
相手左突きを左手で落とし受けてそのまま右足を進めつつ左手で相手をアゴを打つ。右手で受けられたら、腕の下から右手を差し入れ、相手肘をとって崩しながら左手で相手右脇を打つ。そのまま右足で相手左足をかけて引き、投げる。
ハメ手みたいな技で、このまま使うのは実際的ではないと思いますが、これもポイントは相手右側を十分に釣り上げ崩すことでしょうね。それができれば後はいかようにも展開があると思います。逆にそれができるなら、別にややこしいことをしないでも十分制圧できると思いますが。