故・トニーティーさんによるインターロック理論紹介本です。
ダンスの本で、武道書ではないのですが、確か常歩のサイトで紹介されていて、気になって読んでみました。
非常に興味深いです。
常歩というより、伊藤昇先生の胴体力理論に通じるものがあります。体幹の動き・連動を鍛えるもので、そこからすべての動きが派生する、という考え方のようです。胴体力的には「丸める・反らす」の動きが中心となっています。7つの基本トレーニングが紹介されていますが、首や胸、腰などをそれぞれ基点として「丸める・反らす」的な動作をするものです。ここから横に体幹をずらすようなパターンもあります。
一定時間以上続けられなければ意味がない、というのも重要で、短時間であれば力で出来てしまいます。美坂式バランスボールと一緒で、力を抜いた状態で「いくらでも繰り返せる」感じが出ることが大事な筈です。もちろん、実際には無限にやっていられる訳ではないですが、体幹で上手く動けている時は「いくらでも出来る!」という感覚が出てくる場合が多いと思います。
トニーティー氏はインターロックの多様なスポーツへの応用も語っておられ、その中にはボクシング、空手も入っています。特にボクシングはリズムを重視するということで、インターロックに非常に近いと認識されています。
「キックボクシングと空手」という項目があり、ここでK-1を観戦したトニーティー氏の見方が書かれているのですが、
1.空手選手は主動作の後に必ず動きが止まる
2.空手選手は転びやすくなってしまっている
3.空手選手は間合いを計れなくなってしまっている
と鋭いです。
この辺は常歩や太気拳とも通じるものがあるでしょう。「飛び込む」動きをすると、その一発は良くても次につながらない、ということです。
トニーティー氏は柔道などの経験者ですが、武道家ではありません。ただ、理論・目の付け所については、参考にできる部分があるかと思います。
YouTubeにインターロックのエクササイズ動画がありました。
黒人リズム感の秘密 七類 誠一郎 郁朋社 1999-03 |