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『透明な力―不世出の武術家 佐川幸義』木村達雄

 『拳児』を読んで「すげー!」と思った人が皆憧れる、伝説の達人佐川幸義先生。
 その弟子・木村達雄氏による、佐川先生の語録・技術論です。
 といっても、当然ながら連続写真による技法解説のようなものではなく、抽象度の高いお言葉が並んでいる形なので、読み物として面白いし、色々感銘は受けるのですが、技術的なことはサッパリ分かりません。お弟子さんでも分からないくらいなのだから、本を読んだくらいで分かるわけもないでしょう。
 いくつか気になったお言葉を引用しておきます。

特訓なんて何にもならない。毎日毎日一生鍛え続けるのだ。それが修行というものだ。

一部の他流の人が弱くて駄目なのは体を鍛えないからだ。技でやるから体を鍛える必要がないと考えるのは素人だ。

ウェイトリフティング等で鍛えるのも良いが質の違う筋肉がついてしまう。というのは肩に力が入ってしまう。

柔軟体操より体を強くしていくことの方が大切ですよ、それをしないでいくら体を柔らかくしても余り意味はない。強くした上でやるのなら良いけれども・・。

昔の人がすごかったと皆思いすぎている。しかし昔だってすごかった人は余りいないよ。今の方が色々考え方も進歩してきているのだ。(・・・)ただ昔のやり方をひたすら守ろうなんていうのでは全然だめなのだ。まして形を守っているだけでは問題外だ。

人間誰しもこわい事があるがそれを秘めて誰にも言わないという事によって気力が生ずるのだ。自分はだめだと言って人もそれを認めたらそれで良いという事になってしまって気力もなくなってしまうのだ。

いくら教えても不思議な事に自分で得たものでないとうまくできないものだ。

透明な力
木村 達雄
講談社 1995-03-17
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