螳螂拳大要―陰陽兼備の総合拳法 根本 一己 福昌堂 1998-04 |
日本老螳螂拳研究会の根本一己先生による著書。
実は大昔に少しだけ蟷螂拳を習ったことがあります。といっても、崩歩の型だけちょろっと教わっただけで、きちんと学んだわけではありません。
最近、突然崩歩のことを思い出して、うろ覚えだったので何か良い教材はないかと思ってこの本を買ってみたのですが、残念ながらこの本には崩歩は紹介されていませんでした。
套路としては乱接拳(攔截拳)が取り上げられています。乱接拳はこんな套路です(この動画は結構気に入りました。個人的には良いと思います)。
蟷螂拳の歴史から基礎的な鍛錬法、型分解のような用例など、豊富な分解写真で丁寧に紹介されています。
目次は以下の通り。
序章 蟷螂拳術私論
第一章 蟷螂拳術浅見
山東省蟷螂拳の伝承
蟷螂拳の故郷山東省
蟷螂拳各派について
総合拳法としての蟷螂拳
蟷螂拳の練習体系
第二章 蟷螂拳術技術篇
手型
歩型
肘
蹴り
腰部の鍛錬
単式練習(単錬)
乱接拳
第三章 蟷螂拳術研究篇
蟷螂拳三十戦
最後の蟷螂拳三十戦は、対練というか、型分解のような解説です。
さすがに本だけで学ぶことは出来ないでしょうが、既に蟷螂拳を学んでおられる方が参考にすると便利かと思います。
文章や囲みコラムなども面白いです。
ちなみに、崩歩の練習など実に長いこと全くやっていなかったのですが、他の武術を学んできて、ふと昔習った型などをやると、体の感覚が全く変わっていて、「こういう意味だったのか」と発見することがあります。いや、正しい発見かどうかは分からないのですが、何でもしばらくぶりに昔の練習をやると、色々気づくことがあって面白いです。まぁ、何も変わっていなかったらその方が困るのですが・・。