中国拳法の紹介で知られる笠尾恭二先生による護身術本です。
「だれにでもできる」かは分かりませんが、非常にシンプルな技法が紹介されているので、なかなかおもしろいです。
笠尾氏が薦める三つの基本技が「スネ蹴り」「猫手打ち」「逆取り」。この内「スネ蹴り」は、ヤンキーが多用することからも分かる通り(笑)、本当に誰にでも使いやすいです。
「猫手打ち」は袈裟懸けに打つ掌底です。ストレートに比べて素人でも習得し易いのは本当でしょう。
「逆取り」は護身術としてどうなんだろう?という気もします。これは相当練習しないと、女性などが自分より大きい相手かけるのは難しいと思うのですが・・。
他にも色々、この手の護身術本にある「こうしたらこうしろ」系ノウハウが紹介されています。
この本で面白いのが、ナイフ術に関する笠尾氏の経験が書かれていることです。
笠尾氏が米国戦略空軍司令部日本武道訓練班の空手コーチをつとめられた時、インディアンカットと呼ばれるナイフ術を習得した軍人と、実験的に模擬ナイフで立ち会ったそうです。この時、三本立ち会って一本も取れず、対ナイフ戦の難しさを痛感されたようです。
また、アイスランドの漁港で働くことでナイフ術をマスターしたオーストリア青年の話も凄いです。彼は二度、護身のために人を刺したことがあるとのこと。身を守るとはいえ、凄い経験です・・。
だれでもできる護身術入門―自分の身をまもるセーフティー・テクニック 笠尾 恭二 大泉書店 1993-08 |