ご存知、盧山初雄先生の半生記。
盧山先生には大山倍達、澤井健一、中村日出男と、いずれも伝説的な三人の師がいらっしゃるわけですが、それぞれの師匠との出会いや修行経験について実直に語られています。単に読み物として読んでも非常に面白いので、オススメです。
特に太気拳の澤井先生との出会いはドラマチックです。キックボクサー時代に神宮の森で稽古していたら「そんな練習は年をとったら役に立たん」等と挑発(澤井先生がどういうおつもりだったのかは存じ上げませんが、これは挑発でしょうw)されて、実際に言われるままに打ち込んだところ、小さな澤井老人にまるで歯がたたなかった、というあのお話です。小説か格闘漫画のようです。
一読して感じるのは、盧山先生の真面目で素直な人柄です。写真などで拝見しても、目にどこか少年のようなところがあって、本当に空手少年のままたゆまず諦めず歩いて来られた方なのだなぁ、という印象を受けます。
盧山先生は還暦を迎えてなお毎日猛稽古を続けているそうですが、やはり老いてなお輝く師の陰を追っていらっしゃるのでしょうね。
新・生涯の空手道 盧山 初雄 批評社 1996-06 |