『棗田式 胴体トレーニング』棗田三奈子

 『天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』がハイレベルすぎるので、入門用としてこの『棗田式 胴体トレーニング』を買ってみました。
 「キレイに動いてキレイにやせる」というコピーの、いかにも女性向けを意識した一般書なので、武道畑の人間には逆に変な意味で敷居が高いかもしれませんが、入門用にはちょうど良いと思います。本の内容としては、動作の説明の他、「こんな効果がある!」的に部分が結構な紙数が割かれているのですが、ここはスルーして良いでしょう。
 紹介されている運動は限られていて、基本的な動作が細かく丁寧に説明されています。「間違った例」も色々挙げられていて、とても分かりやすいです。
 しかし、胴体力トレーニングの大変なところは、動作自体が単純なだけに、ちゃんとやろうとすると難しいことです。これはもう、どうしようもないので、地道に稽古していくしかないのでしょう。できれば教室なりセミナーなりでちゃんと習った方が良いと思うのですが、棗田のところはハイレベルなダンサー女子が集っていそうで伺いにくいです。わたしは最近、自宅での一人稽古の最初に、基本動作だけやっています。
 付属DVDも分かりやすいのですが、ここに登場している生徒さん達が、当然のことながら異様にハイレベルです。
 基本動作自体も、単純な動きが実に美しく、真似事だけなら誰にもでできても、普通の人間には到底実演者のような美しい動きはできません。出来ているつもりでも出来ていないでしょう。
 さらにオープニングとエンディングには、「普段の練習でやっている動きをつなげた」というダンスのような所作が収録されていて、これが「インドの修行者かっ」とツッコミたくなるような物凄いものです。「そんな方向に足曲がんないって!」という世界です。
 一般の健康目的の方や、シモジモの武道・武術稽古者たちは、ここまで出来なくても問題がない・・と信じたいです・・・。
 ちなみに、このエンディングで実演者の御名前が一人ひとり紹介されているのが、好印象でした。棗田先生がお弟子さんに愛と敬意を払っている証かと思います。
 胴体力トレーニングは、いくつかの本で基本動作だけは見ていたものの、どれくらいの動作のテンポが適切なのか、どのへんの動きからとっかかれば良いのかが今ひとつ分からなかったので、良い教科書になりました。
 一見単純な動作ですが、やってみると奥が深く、またこれらの動作をやってから稽古に入ると、練習の中の動きが以前よりスムーズになっていることがあります。また、同じ武道の動作(に限らず、他のスポーツでも)も、基本の三つの動きを意識して取り組んでみると、新たな気付きが得られることあります。
 胴体力は、現在、わたしの知る限りで飛龍会、棗田先生の大棗の会、松田塾などに分裂していますが、教え方という意味では棗田先生のところが一番フレンドリーで分かりやすいイメージがあります。どれも行ったことがないので、勝手なイメージですが・・。

4584133239棗田式 胴体トレーニング
棗田 三奈子
ベストセラーズ 2011-06-25