常歩による木刀素振り

 木刀の素振りをやっていることを前に書きましたが、木寺英史先生の『本当のナンバ 常歩』を参考に、どうせ素振りをするのだから、と常歩的な素振りを練習しています。
 わたしは剣道も剣術も経験がなく、木刀素振りは単に鍛錬の一環としてやっているだけなので、正しいかどうかはよく分かりません。自分なりに試行錯誤しています。
 やっているのは、
①構えの姿勢から常歩で半歩踏み出し打つ
②歩み足で二歩前後に歩きながら打つ
 という練習です。
 ①は普通に踏み込んで打つのを常歩でやっているだけです。『本当のナンバ 常歩』p178に分解写真のある方法です。
 ただ、わたしは自宅室内でコレをやっているので、あまり大きく動いて室内のものを破壊してしまうと恐ろしいので、控えめにやっています。また、強く踏み込むよりフォームを確認するように丁寧にやっています。
 股関節やや外旋で踏み込み、反対側の骨盤が前に行きますが、骨盤を意識し過ぎると中心軸的な動きになったり、後ろ足の膝が内に入ってしまったりするので、あまり考えすぎずに入ります。後足については蹴らないこと、踵をなるべく付けておくことだけ気に留めておき、前足で地面をひったくるようなイメージの方がわたしはやりやすいです。また、足先より膝と股関節に意識を持った方が良いと思います。
 鍛錬用の稽古なので、左右入れ替えて練習します。
 またこれは常歩に限らないですが、右構えの場合、右手は添えるだけにして、左手の薬指・小指を意識してやっています。人差し指は浮かせるくらいのつもりで、薬指・小指でひっかけて力を抜き肩を外旋ぎみにし振るよう心がけています。
 ②は『本当のナンバ 常歩』p168にある方法で、トコトコ歩きながら打っていきます。
 狭いところでやるので、前後二歩しか動きません。最初は左足前の状態からスタートし、右足を出しながら振り上げ、左足が前に出る時に打ちます。ここからバックするのですが、どうせなので戻りながらも打っています。剣道的には意味のない動作かもしれませんが、実験的に試行錯誤している最中なので、とりあえずやってみます。太気拳の這や練のようなノリです。
 これも強さやスピードは考えず、歩くフォームとまっすぐに打つこと、力まないことだけ意識してやっています。
 剣道を知らないため、一般的な打法に比べてどうなのかよく分かりませんが、この方法だと歩きながら止まらず何度でも打てます。太気拳っぽいです。
 木寺先生は「軽い竹刀を重く使う」ということを書いていらして、むしろ軽い竹刀で稽古することの重要性を指摘されていますが、わたしはたまたま手元に木刀しかないので、この木刀で稽古しています。木寺先生が「お尻に当たるくらい振り上げる方法は、肩甲骨の柔軟性を高める効果がある」と仰っていたので、素人なりに大げさに振り上げるようにしています。部屋の中なのでよく背後を確認してから練習を始めないといけません。
 素人なので、時々本当にお尻や後頭部に当たることがあります。ちょっと人には見せられない間抜けな姿です。
 こうした練習をしているせいか、ただ単に剣道素人が素振りの真似事を始めたので初期の成長速度が早いということなのか分かりませんが、最近になって、時々全然力を入れずにスパッと気持ちよく振れるようになってきました。といっても、剣道・剣術をやっておられる方からしたら、わたしの絶好調でも最低レベル以下かと思いますが、はじめの頃は真っ直ぐ振ることもできず、力んで切っ先がフラフラしてばかりいたので、多少は進歩したようです。
 特に歩み足はトコトコスルスル打てる感じで、大変気持ち良いです。室内なので二歩しか動けませんが・・。
 常歩的歩法を練習するのに、一度ものすごい大げさな動きをしてみる、というのは有効です。
 踏み出す時に股関節外旋ぎみと言っても、歩く時にそれほど大きく外旋する訳ではありませんが、練習として思い切り外旋させてみます。同時に、支持脚側の骨盤を思い切り前に出します。また、支持脚側の肩を外旋、踏み出し側を少し内旋にします。
 中国武術の斧刃脚を蹴りながら、蹴っている側の腕で小さく正拳を突き、反対側で引き手を取るみたいなポーズです。
 ちょっとストリートダンスのロッキングみたいなノリになります。
 こんな動きで道を歩いていたら職質されると思いますが(笑)、室内で大げさに動いて、そこから段々小さくし、身体の中だけでこの力の流れを作れるようにします。
 また、木寺先生の言う左膝の抜きについて、沈身の練習をするのは有効だと思います。
 わたしが大昔の所属していた某中国武術系道場では、弾腿という型を初歩で教えられていたのですが、各路の冒頭で沈身し両手で両側に打ったり片手で打ったりする動作があります。中国武術系の人はこうした動きが得意ですが、加えて、馬歩だけでなく四股立ちのような姿勢で行い、体重が落ちた時にアウトエッジを意識して受け止める、という練習が良いと考えています。というのも、常歩剣道だけでなく、一般的な組手立ちでは、丁八歩のように後足が45度くらいの角度で開いているものが多く、この姿勢で半歩前進し打突する場合、抜きをややアウトエッジぎみに受け止めて入る必要があるからです。「前に出よう」とだけ考えていると、拇指球に加重が行き、膝が内側に倒れてしまうことがあります(特にわたしのような膝下外旋の人間)。
 常歩に限った話ではありませんが、股関節ができていないとこうした練習も意味がないです。
 わたしは膝下外旋の傾向があり、膝が内側に入ってしまう癖があるので、とりわけ股関節外旋を意識して練習しています。若い頃に「拇指球信仰」の洗礼を受け、内側に入る癖が付いてしまったようで、膝の故障にもつながるし、色々と苦労しています。
 これには『常歩式スポーツ上達法』で紹介されている開脚で股関節を外旋するトレーニング、股割りが有効です。そしてそのためには、骨盤立位のポジションが出来ないといけません。
 結局一番基本的なところに戻っていく訳ですが・・。