『天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部

 あの故・伊藤昇先生の胴体力トレーニングについての、月刊「秘伝」編集による「入門書」です。
 「入門」と言いながら、胴体力についての書籍の中で最も複雑でハイレベルです。
 主に「秘伝」掲載記事をまとめたものらしいですが、情報量が非常に多く、かなり長い時間をかけて咀嚼しないといけない内容です。それだけ値打ちがある訳ですが、初心者・入門者は情報量が多すぎてかえってとまどうでしょう。各章の構成も体系だったものではありません。
 わたしも初心者なので、いずれ役立つ日が来る・・と思って何度も読み返したりしていますが、正直、とてもこんなハイレベルのことまでできる段階ではありません。写真を追って真似していると、途中から「いやいやいや、それは無理でしょ!」というポーズに超展開することがあります。
 初心者は『気分爽快!身体革命』か、棗田三奈子先生の『棗田式 胴体トレーニング』を買った方が良いでしょう。
 やはりちゃんとやるなら、セミナーなり教室なりに行って教えて貰わないとダメそうです。基本動作だけでも、一見簡単そうで、正確にこなすのは難しそうです。
 胴体力トレーニングの恐ろしいところは、入り口だけならとても簡単そうに見えるところです。非常にシンプルで、「え、それだけ?」という感じすらあります。ところが、これを実際に正確にこなそうとすると、非常に敷居が高い。シンプルなだけに、「できなければ、できない」という壁があります。最初は出来ているのか出来ていないのかすら分かりません。ただ、自分なりに練習していると、少なくとも「あ、これではアカンっぽい」というのは分かってきます。このまま続けていけば、もっと感覚が出てくる・・・と信じたいです。
 現時点では、基本動作以外では肩の細分化・骨盤の細分化の動きが参考になり、とりあえず見よう見まねでやっています。
 武道オタク的には、数見肇師範・岩崎達也師範の胴体力トレーニング体験記があるのがちょっと楽しいです。
 身体論・身体操作系にも色々な理論があり、オタク的にあちこち齧ったりしていますが、胴体力トレーニングはその中でも最も洗練され、信頼度の高いものだと思います。
 わたし自身の乏しい経験の範囲では、このトレーニングを30分以上じっくりやり、加えて股割りをしっかりやってから立禅を組むと、股関節のパキッとハマる感じや、下半身の感覚が得やすくなっています。膝から腿にかけてがタールの流れの中にあるような感覚です。まぁ、これだけでは直接的には何になるものでもないので、まだまだな訳ですが・・。

4862201083月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門
月刊「秘伝」編集部
BABジャパン出版局 2006-04